てぃーだブログ › 国場児童館((一社)沖縄じんぶん考房) › 研修/勉強 › コロナ禍の遊びを考える勉強会の様子が、琉球新報・沖縄タイムスに掲載されました!

2020年12月29日

コロナ禍の遊びを考える勉強会の様子が、琉球新報・沖縄タイムスに掲載されました!

12月18日に、『コロナ禍における遊びを考える勉強会』と題して、沖縄県立中部病院感染症内科の高山義浩先生を国場児童館にお招きして、子どもの遊びを保障しながらコロナ対策に取り組む際のポイントについて検討を行いました!

これは、NPO法人沖縄県学童・保育支援センターが主催となり開催したものです。

8月の沖縄県緊急事態宣言の際に、こどもの遊びの環境を保証しながら、過剰でないコロナ対策を考えなければという危機感を抱き、学童・保育支援センターと沖縄市のももやまこども食堂、沖縄市と北中城村で放課後児童クラブを運営する一般社団法人千和と4者で話し合いを行い、アクションを起こす事にしました。

高山先生からは、子どもの発達段階や家庭の家族構成など、様々な状況を理解したうえで対策作りをしていくことなど、具体的で大切なアドバイスをいただきました。

誤解が生まれない様、丁寧に整理してから、県内の児童館や児童クラブ、保育園の先生方の参考になるようにまとめて発信したいと思います。

その際の記事が、12月24日に琉球新報に、28日に沖縄タイムスに掲載されたので、紹介させていただきます。

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琉球新報『新型コロナ、子どもの感染リスクは?学童ではどう対策すればいい?中部病院・高山義浩医師が解説』

 子どもが利用する施設での新型コロナウイルスの感染リスクや予防策への理解を深めようと、NPO法人県学童・保育支援センターは18日、県内の保育所や学童、子どもの居場所の関係者向けの勉強会を那覇市の国場児童館で開いた。県立中部病院の高山義浩医師が講師を務め、新型コロナの特徴や子どもや職員の感染対策などを解説した。関係者らは現場が抱える課題について質問し、感染対策を講じながら遊びと学びの活動を続ける方法を学んだ。

成人とリスク同じ
 高山医師は、新型コロナの研究結果やこれまで県内で発生したクラスター(感染者集団)の事例などを踏まえ、幼児への感染の特徴を説明した。感染リスクは成人と変わらない一方で、幼児から成人へと感染することは少ないという見方を示した。
 県内の事例の多くは職員の発症で発覚したという。当該施設への聞き取りなどから、食事中に感染が広がった可能性が高いとして、職員は幼児と別の場所で食事することを推奨した。職員が食育の活動などでマスクを外さざるを得ない場合は、換気した上でマウスシールドを使用するなど、十分に注意を払う必要があると強調した。
 クラスターの予防策としては、「症状のある幼児や職員を休ませることが基本だ」と説明。幼児はそれ以上の行動制限の必要はないが、職員が発症した場合は適切な医療機関で速やかにPCR検査を受けることを提言した。「PCR検査が遅れれば、休園の判断なども後手になり、気付いたときには集団感染になってしまう」と指摘した。

屋内での遊び課題
 同センターは11月、子どもが利用する学童や児童館、子どもの居場所などで働く指導員らにアンケートを実施した。回答を得られた62人のうち「屋内での遊び方」に課題を抱えると答えた割合が75・7%に上った。
 施設内での活動について、高山医師は(1)換気の徹底(2)手指消毒(3)適正な消毒の使用―などを挙げた。また、感染リスクの考え方を示し、公園など屋外での遊びはリスクが低いとした。屋内での合唱はマスク着用を勧めた。

 質疑応答で、那覇市国場児童館の山崎新館長は幼児のマスク着用の必要性について質問した。高山医師は「適切に着用できない幼児に無理に着けさせても予防効果は得られない」とした上で、「基礎疾患などその子が有するリスクや同居する家族のリスクは考慮する必要がある」と述べた。
 参加者らは勉強会を通して、現場での実践に生かしていきたい考え。主催した県学童・保育支援センターの二宮千賀子さんは「現場ではどこまで感染予防策を講じればいいのか、不安を抱えている。専門的な知識を身に付けることで適切な感染対策ができる」と意義を語った。

成長段階に応じた対策を
 高山義浩医師の話 感染対策が必要な基礎疾患のある子どもや、対策への協力が難しい発達段階の子どももいる。画一的な対策を押し付けるのではなく、それぞれの成長段階に応じて対応することが大切だ。マスクを着けられない子どもがいるなら、周囲がマスクを着用することで、その子を守れる。感染対策を通して、自分や周囲を思いやる気持ちを学んでほしい。


沖縄タイムス「感染は食事中の大人から」「公園の閉鎖は効果なし」正月休み 子どもの感染どう防ぐ?

 新型コロナウイルス禍での子どもの遊びを考える勉強会(主催・NPO法人沖縄県学童・保育支援センター)が18日、那覇市の国場児童館であった。講師を務めた県立中部病院感染症内科の高山義浩医師は「子どもの状況や家庭のリスクに応じた多様な感染対策が必要だ」と強調。子どもに関わる現場の職員ら約10人が参加し、具体的な事例を踏まえながら対応策を学んだ。屋内外での活動について、ポイントを紹介する。

 小児の新型コロナ感染について、高山医師は「感染しやすさは成人と変わらないが、子どもからの感染力は低い」と説明。インフルエンザの流行と異なり学校での集団感染は少なく、家庭内で保護者から感染している例が多いという。
 無症状や発症から1日以内で治ることが多く、重症化することはほとんどない一方、2歳未満や基礎疾患のある子どもは重症化の恐れがあり、気を付ける必要があるとアドバイス。
 また、保育施設での集団感染の例を挙げ「食事の時間など職員がマスクを外す場面で、大人から子どもに広がった可能性が高い。職員に発熱などの症状を認めるときはPCR検査をしている医療機関を受診することで、その後の迅速な対応につながる」と解説した。

■換気や食事注意
 県学童・保育支援センターが県内の児童館や放課後児童クラブなどに実施したアンケートでは、回答のあった62件のうち75・7%が屋内での遊び方に困っていると回答。「子ども同士の距離を保つことが難しい中で、どう対策すべきか」という声が多かった。

 高山医師は、注意点として「定期的に換気ではなく、常に少しだけ換気を心掛けることが大切」と助言。扇風機の活用は、部屋の内側にいる子どもに向けて風を送るとむしろ感染リスクになるとし、外側に向けて換気扇のように室内の空気を逃がすことが正しい方法だと説明した。

 食事については、大人からの感染リスクが高いことを踏まえ「子ども同士で食べるのは構わないが、できれば職員や高校生以上の大人は別にした方がいい」と提言。難しい場合は、少人数に絞って大人が食事中に話さないよう気を付けるなどしてリスク軽減を図ることが大切とした。

■屋外リスク低い
 子どもの屋外での活動については「基本的にマスクは着けなくてもよい」としつつ、多人数の密集は避けるべきだと指摘。公園の閉鎖や利用制限に関しては、公園以外にも子ども同士が接触する可能性は十分あり「子どもたちが一緒に遊ぶことを認めている中で、公園だけを禁止することには意味がない」と話した。一方、宿泊を伴う行事や友人の家に上がるなどの行為は感染リスクが高まるとして注意を促した。

 高山医師は「基礎疾患のある子や、一律に対策が難しい発達段階にある子、高齢者と同居している子などさまざまなケースがある。子どものリスク状況に応じた多様な感染対策を取りながら、活動していくことが大切」と訴えた。

 参加したコスモストーリー保育園(うるま市)の天願順優園長は「食事を小グループにしたり、運動会もそれぞれの遊び場の様子を動画配信するなど、今までの保育を見直す機会になった。制限がある中でも活動を工夫したい」。国場児童館(那覇市)の山崎新館長は「ムーチーなど季節のおやつ作りができるか悩んでいたが、加熱で殺菌されることや手洗いの徹底、配膳の際に飛(ひ)沫(まつ)を防止するなど専門家のアドバイスを聞けて安心した。食育も大切な活動の一環なので、対策して取り組みたい」と話した。

 ももやま子ども食堂(沖縄市)の菅原耕太主任は「不安の中で遊びや活動を縮小し、子どもの成長や楽しみを奪う方向ではいけない。一人一人に合った対策を考えながら現場に落としていきたい」と語った。


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Posted by 国場児童館 at 09:00│Comments(0)研修/勉強
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